1月1日から埼玉県新座市にある研究室に入り、たまった仕事を片付けていた時に、机上に置いたスマートフォンが大きく鳴動し「緊急地震速報」と表示された。と同時に大きく揺れ始め、スライド式の本棚がレールの上を行き来した。筆者の研究室が8階にあるためか、揺れが長く続いた。しばらくして日本海側地方の被災状況を把握した。
本稿執筆時は人命救助や物資支援が懸命に行われている段階であるが、それらが一段落すれば復興に向けた支援が入るフェイズになる。その際には災害廃棄物への対応が問題となる。そのため自然災害により生じる災害廃棄物の処理の支援について述べるとともに、そこから見える今後の清掃行政の課題と展望を提示する。
支援体制はいかに構築されるのか
地震、台風、豪雨等の自然災害の後には、被災地から倒壊・破損した家、家財道具等に加え、避難所ごみ、仮設トイレのし尿、片付けごみなどさまざまな災害廃棄物が一度にしかも大量に排出される。
これらの扱いは「事業活動により生じたものではない」という解釈から「一般廃棄物」とされ、災害に見舞われた地方自治体が責任をもって処理・処分するようになっている。
しかし、災害の規模が甚大であったり、地方自治体の行財政力が脆弱(ぜいじゃく)であったりし、自力での処理・処分が難しい場合には、支援体制が構築される。
その支援体制の中には、これまでの経緯から自治体間で締結した災害時の支援協定、姉妹都市協定、交流協定等に基づくものもあるが、基本的には被災した基礎自治体を含む広域自治体(都道府県)下での支援体制の構築が模索される。
それが難しい場合は、環境省の地方環境事務所を中心として全国に8カ所設置され、国・都道府県・市町村・関係事業者等で組織された「地域ブロック協議会」で調整が行われ、そのブロック内での支援体制の構築が目指される。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら