懸念される"災害ごみ処理"清掃職員削減の余波 不測の事態で浮き彫りになる清掃行政のあり方

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それでも難しい場合は、環境省本省の「D.Waste-Net」(災害廃棄物処理支援ネットワーク)が利用される。D.Waste-Netとは、研究・専門機関、一般廃棄物関係団体、廃棄物処理関係団体、建設業関係団体、輸送等関係団体の協力のもと環境省が事務局となって運営される組織で、災害直後の初動・応急対応や中長期的な復旧・復興対応への支援を行う組織である。

その構成団体である一般廃棄物関係団体の一つには、市区町村の廃棄物行政が抱える課題解決を目的に組織された公益社団法人「全国都市清掃会議」(以下、全都清)がある。

申し出た支援可能自治体からの支援内容を確認し、被災自治体のニーズの把握や現地調査を行ったうえで、被災自治体と支援可能自治体のマッチングを行い、被災自治体に支援を入れる形を構築している。

「平成30年7月豪雨」が西日本の広範囲に豪雨をもたらした際には、全都清の調整により関西の自治体のみならず、横浜市、川崎市、静岡市、浜松市、名古屋市等からも西日本の被災自治体に支援が入っていた。

真冬の支援は過酷な労働となる

協定に基づこうが要請によろうが、被災自治体への支援が決まれば、支援可能自治体で選任された清掃職員は快くその任務を引き受ける。現地に赴き、災害廃棄物の分別収集・運搬作業、それらを処理するために一時的に保管・集積する「仮置き場」等での搬入整理や積み下ろし作業に従事する。

仮置き場では、搬入された災害廃棄物を効率的に処理・処分するために搬入時から分別しておく必要があり、それを指示しながら積み下ろし作業を手伝うこともある。真夏の場合は炎天下で、真冬の場合は風雪や寒さの中での作業となるため、体力が消耗する過酷な労働となる。

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