災害時の避難所運営、マイナンバーカードをタッチするだけで受付時間が10分の1に短縮、デジタル庁が避難者支援の技術検証実験を実施

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紙ベースのアナログ運営になりがちな避難所運営のデジタル化を検証中(写真:デジタル庁提供)
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大規模災害時の避難所に入所する際、受付業務をどうするかご存じだろうか?

東日本大震災の時は、紙ベースで行っていた。そして、先般の能登半島地震の時もほぼ同様だ。しかし、それはあまりに非効率だ。

避難所での、避難民の把握作業の困難さ

そもそも、なぜ受付業務が必要か、お分かりだろうか?

たとえば、ある小学校が避難所になるとする。そこに入っている人が何人か? 年齢構成は? 男女比はどうだろうか? そういった情報がないと、的確に救援物資を届けることができないのだ。数百、数千、数万人の人が被災すると、正確にすべての避難所にそれぞれ何人が避難しているのか把握しなければならない。

しかし、ことは簡単ではない。たとえば、近所の公園に避難する人がいる。善意で開放された町工場に避難する人がいる。指定された小学校が窮屈だったり、ペットと一緒にいたかったり、被災した自宅に泥棒が入らないか不安だから近くで見ていたいという人もいる。中には、壊れた家の中にまだ家族が閉じこめられているから離れたくないという人もいるかもしれない。

ライフラインが寸断され、役所の職員自身も被災している中で、避難場所の業務を行うのは容易なことではない。

実証実験
実証実験では、実際に弁当の受け渡しや、薬の受け渡しなどの手順をアナログとデジタルで比較して行った(写真:筆者撮影)
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