障害者雇用「5人→10年で33人」奈良医大の大改革 民間企業の「法定雇用率」が来年から2.5%に

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まず、2014年に知的障害のある人を5人雇用したところ、働きぶりがよかったため、2015年には大学の人事課に障害者雇用推進係ができ、岡山さんが係長に就任した。2022年からは、同大学のベンチャー認定企業MBTジョブレオーネが設立され、岡山さんが代表取締役に就いた。以来、業務委託の形を取っている。

病院で働く係員と岡山さん(写真中央手前で黒い服を着ている女性)(写真:MBTジョブレオーネの岡山さん提供)

現在は雇用率2.87%を維持

同院では毎年少しずつ雇用人数を増やし、現在は知的障害のある人が24人(ダウン症、水頭症、てんかん発作、身体半身まひ、聴覚障害など、そのうち障害が重度のA判定2人を含む)、精神障害のある人が3人(統合失調症、パニック障害、高次脳機能障害)、発達障害のある人が6人(アスペルガー症候群、自閉症スペクトラム症候群、広汎性発達障害など)の合計33人。現在の雇用率は法定雇用率を上回る2.87%を維持する。

勤務時間は基本的には9時から16時までだが、人によっては短い時間しか働けず、8時半から12時半までの人もいる。給料は地域別最低賃金(奈良県の場合、936円)を少し上回る時給940円(2023年10月から)で設定されている。

当初、日常的に忙しい病院スタッフが係員の仕事ぶりをどのように受け止めるか、岡山さんは懸念を抱いた。そこで、岡山さんは病院長、看護部長と話をつけて、トップダウンで係員との協働をスムーズにできるような指示を出してもらった。

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