インクルーシブ(inclusive)とは、「全部ひっくるめる」という意。性別や年齢、障害の有無などが異なる、さまざまな人がありのままで参画できる新たな街づくりや、商品・サービスの開発が注目されています。
そんな「インクルーシブな社会」とはどんな社会でしょうか。医療ジャーナリストで介護福祉士の福原麻希さんが、さまざまな取り組みを行っている人や組織、企業を取材し、その糸口を探っていきます。【連載第17回】
来年(2024年)4月から、民間企業での障害者の法定雇用率が段階的に引き上げられる。現行の民間企業の法定雇用率は2.3%、これは従業員43.5人以上に障害者1人の雇用に相当する*。それが来年4月からは同2.5%(従業員40人以上)となり、2026年7月からは同2.7%(従業員37.5人以上)となる。
各企業では身体障害、知的障害、精神障害、発達障害のある人をどのように雇用していくか、検討と実践を重ねている。そこで今回は、奈良県立医科大学附属病院(橿原市)の障害者雇用の様子を紹介したい。
毎日9時から16時まで勤務
精神障害のある角谷(かくたに)翔太さん(28歳)は、2019年から同院に非常勤雇用の形態の1つである時間雇用職員として勤務する。
月曜から金曜の週5日間、毎日9時から16時まで、看護部や薬剤部、人事課、外来化学療法室から依頼された仕事をこなす。取材した日の前日は、午前中に外来化学療法室と薬剤部の作業をした。
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