経産省が進める政策の狙いとは。
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半導体や、資源・エネルギー分野で、経済産業省が存在感を高めている。米中対立などで混沌とする世界情勢の下、日本の針路をどう描くか。西村康稔・経済産業相に聞いた(インタビューは12月5日に実施)。
──2024年の日本の展望は。
2023年は、海外から多くの政治家や経営者、投資家の来日があり、次のような声を多く聞いた。「日本は変わった」「日本と一緒に仕事をしたい」「日本に投資をしたい」と。
インバウンド(訪日客)も、コロナ禍前の水準に戻ってきている。中国からの訪日客はあまり回復していないにもかかわらずだ。円安で日本に旅行しやすくなっている、という面もあるが、海外の人々が日本の魅力を以前よりも強く感じている、という要素も大きい。
日本経済は2023年以上に活発に
2024年の日本経済は、2023年以上に活発になる。また、いくつかの新技術でも少しずつ芽が出てくる。
──経産省が支援に注力している先端技術分野に半導体があります。年1兆円以上の補助金を1つの産業に投じるのは、異例です。
私が通商産業省(現経産省)に入った1980年代、日本の半導体産業は世界の5割のシェアを握っていた。しかし今や1割程度だ。しかも最先端の製品ではない。
製造力が弱まった結果、コロナ禍でサプライチェーン(製品の供給網)が途絶えたとき、車も家電も造れないという事態に直面した。