井阪隆一社長に2023年の総括と、2024年の展望を聞いた。

特集「2024大予測|スペシャルインタビュー」の他の記事を読む
![週刊東洋経済 2023年12/23・12/30新春合併特大号(2024大予測)[雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Pa1qc9iYL._SL500_.jpg)
2023年2月期に売上高11兆円を突破した、セブン&アイ・ホールディングス。柱の国内コンビニ事業が成長した一方で、スーパーや百貨店事業のあり方をめぐってステークホルダーとの対立が表面化した1年だった。井阪隆一社長に総括と24年の展望を聞いた。
──23年はどんな年でしたか。
エポックメイキングな出来事も多々あったが、(コンビニ事業への集中を掲げた)中期経営計画を着実に実行できた1年だった。
企業は、社会や社員により多く分配するために、つねに成長を目指すべきだ。9月に譲渡完了したそごう・西武はグループ内で成長できなかった。新オーナーの下では早速、われわれではできないような人や金のリソースがかけられている、と聞いている。
そごう・西武の田口広人社長とは定期的に連絡を取っている。絶対に成功してもらいたい。約束している雇用についても、当社が受け皿としての役割を果たしていく。
足元はちょうど過渡期
──小売流通業界全体としてはどんな1年でしたか。
コロナの感染症分類が5類に引き下げられた5月以降、人流が回復し、業界には追い風だった。一方で、やはり物価がものすごい勢いで上がった。実質賃金はマイナスが続いている。とくに年後半から、当社グループの全業態で1人当たりの買い上げ点数の低調が顕著だ。財布のひもが固くなっており、消費者は峻別して買い物するようになっている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら