業界再編の機運が高まっている。

工藤幸四郎(くどう・こうしろう)/旭化成 社長。1959年生まれ。82年に慶応大学法学部卒業、旭化成工業(現・旭化成)入社。繊維事業本部長、常務執行役員などを経て、2022年4月から現職(撮影:今井康一)
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鳴動する政治。終息しない戦乱。乱高下する市況。その先にあるのは活況か、暗転か――。
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石油化学製品(石化)の事業が汎用品を中心に低迷する化学業界。供給過剰という構造的な課題がある。どう向き合うか。旭化成の工藤幸四郎社長に聞いた。
──旭化成でも、日本の化学業界全体でみても、石化は厳しい事業環境に直面しています。
もともと中国の景気が悪いうえに、中国の企業で大きな生産設備の新増設があったので、その両面から2023年度の前半は厳しいとみていた。
後半からは中国の景気も持ち直してくるだろうと考えていた。しかし厳しい状況が続き、底が見えにくい。
これまでも石化のボラティリティー(好不況の波)を緩和するために、(原料高を反映できるように)顧客との価格交渉のやり方は工夫してきた。一定の成果は上げてきたが、今はそれ以上にアゲンストの風が強い。まさに構造として不可逆的な変化が起きているというふうに認識している。
極めて低いレベル
──以前のようには戻らないと。
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