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「記録的な暑さ」はいったいいつまで続くのか 東大未来ビジョン研究センター・江守氏に聞く

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温室効果ガスの増大に歯止めがかからない。

東京大学未来ビジョン研究センター 教授 江守正多氏
江守正多(えもり・せいた)/東京大学未来ビジョン研究センター 教授。1997年より国立環境研究所に勤務。2022年より東京大学未来ビジョン研究センター教授、国立環境研究所地球システム領域上級主席研究員。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次、第6次評価報告書主執筆者。(撮影:今井康一)

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鳴動する政治。終息しない戦乱。乱高下する市況。その先にあるのは活況か、暗転か――。
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世界中で熱波や干ばつ、洪水などの異常気象が頻発している。欧州連合(EU)の気候情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は2023年1〜10月の世界の平均気温が産業革命前の平均より1.43度も高かったと23年11月に発表した。

今後、気温はどこまで上昇するのか。私たちは深刻化する気候変動にどう対処すべきか。東京大学未来ビジョン研究センターの江守正多教授に聞いた。

 

──23年は日本でも観測史上、最も暑い夏になりました。

日本の記録的猛暑については、地球温暖化の長期傾向がなければ起きなかったことが、すでに研究速報で明らかにされている。地球温暖化は、人間活動から排出された二酸化炭素(CO2)などの大気中の温室効果ガス増大が原因だ。その増大に歯止めがかからない。

飛び抜けた暑さになったもう1つの要因として、エルニーニョ現象が起きたことが挙げられる。エルニーニョ現象とは、日付変更線から南米にかけての太平洋東部の海域の海水温が1年以上にわたって平年よりも高くなる現象だ。これが起きると世界的に平均気温が高くなりやすくなる。

23年夏を上回る暑さも

──記録的な暑さは24年以降も続くのでしょうか。

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