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「トランプ元側近」が憂うトランプ再選の危険度 すべて損得勘定で考える男が世界の秩序を破壊

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“2期目のトランプ”はどれほど危険なのか。

元米大統領補佐官 ジョン・ボルトン氏
ジョン・ボルトン(John Bolton)/元米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)。1948年生まれ。イェール大学卒業。レーガン、大ブッシュ、小ブッシュの3政権で高官ポスト。駐国連米国大使。2018〜19年、トランプ政権で大統領補佐官(国家安全保障問題担当)。著書に『ジョン・ボルトン回顧録』(Photo courtesy of John Bolton)

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トランプが米大統領として返り咲いたら、取り返しのつかない事態に陥る──。

こう警告するのは、2018年春から19年秋までトランプ政権の国家安全保障問題担当大統領補佐官を務め、元駐国連米国大使でもあるジョン・ボルトン氏だ。

同氏の著書『ジョン・ボルトン回顧録:トランプ大統領との453日』はトランプ政権の内幕を事細かに描き、ベストセラーに。同氏に再登板のリスクを聞いた。

──トランプ前大統領について歯に衣着せぬ発言をしています。同氏が再び大統領になったら、なぜ危険なのですか。

すべてが個人的な「取引」

政治的な信条がないからだ。彼は物事を損得勘定で考える。金銭的・政治的な意味で、すべてが個人的な「取引」なのだ。合衆国憲法を尊重する気などみじんもない。

例えば、19年6月のG20大阪サミットでのこと。トランプは対中強硬姿勢を一変させ、中国の習近平国家主席に米農産品の輸入拡大を要請した。米中貿易摩擦をめぐる中国の報復関税の打撃を受けてきた米国の農家の支持を取り付けて、再選のチャンスを高めるためだった。

また、保守派の最高裁判事を複数任命したのもキリスト教福音派を喜ばせるためだ。判事らの司法哲学を信奉してのことではない。

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