──23年夏、米国の外国人記者協会(FPA)による記者会見で、あなたはこう言っています。「2期目は、再選という政治的制約がなくなる。トランプが1期目と同じ道をたどるとは思うな」と。
例えば、中絶の合法・非合法化に対するスタンスもそうだ。中絶は米国の世論を二分する問題だが、トランプは世論に合わせて立場を変える。政治的制約が外れ、もはや有権者の顔色をうかがう必要がない2期目にトランプがどう出るかは不明だ。(中絶容認派に回るなど)保守派の支持者らが落胆する結果になりかねない。
トランプ復活には修復不可能なリスクが伴う。彼は「2期目に仕返しする」と何度も口にしているからだ。バイデン政権の策略で起訴されたと思っているのだ。「支持者のために」と謙虚さを装っているが、すべては個人的報復だ。21年1月6日の米連邦議会襲撃事件をみれば、それがわかる。
つまり、彼は法の支配を理解していない。自分の身に起こることをすべて不公正で政治的だとし、違法な「迫害」だと主張する。そうした行動は、合衆国憲法にのっとって議会政治を行う立憲制そのものを弱体化させる。
プーチンへの追い風に?
──大統領補佐官時代に経験したエピソードとして、衝撃を受けたことはありますか。
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