デジタル規制論の第一人者に聞いた。
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アメリカ、中国、欧州連合(EU)をめぐるデジタル覇権主義の争いが激化している。デジタル規制論の第一人者である、米コロンビア大学のアニュ・ブラッドフォード教授に展望を聞いた。
──各国・地域のテクノロジー規制を独自に類型化しています。
世界中の政府や個人は、AIやSNSなど社会に対し巨大な影響力を持つテクノロジーが、一握りのテック企業に統治されていることに不安を覚えている。しかし、その規制のあり方について世界的なコンセンサスは存在しない。
そこで私はそれぞれの国・地域を比喩的に「デジタル帝国」と称し、それぞれが競い合う3つの規制モデルがあると提唱した。
1つはアメリカによる市場主導の規制モデル、もう1つは中国の国家主導モデル、そしてEUの権利主導モデルだ。歴史・文化・イデオロギーなどの要素が交じり合い、世界のデジタルガバナンスにおいて、この3つの類型が成り立つ。
アメリカの力は弱まっていく
──デジタル帝国同士のせめぎ合いは、どのようになりますか。
市場を信頼しイノベーションを生み出すアメリカのモデルが、自国の経済に恩恵をもたらしてきたのは間違いない。しかし、これからアメリカの力は弱まっていくだろう。
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