週に1回は「英語部屋」にこもりなさい! 英語上達のための、究極の「脳トレ」法
※前編はこちら:だから日本人は「英語で雑談」できない!
リスニング克服の鍵は?
安河内:前回、「『英語でしか得られない』医学の知識を得るためにアメリカに渡った」と伺いました。さらに、同僚の研究者たちとMRIの研究をする中で、苦手なリスニングを克服されたそうですね。
その当時、たとえば、「MRI」などの意味を日本語から英語へ変換しながら聞いていましたか?
加藤:していませんでした。というか、当時は必要がなかったんですよね。MRIというのは、装置のことなので見ればわかりますよね。「あの装置=MRI」というふうに、直接、英語で覚えてしまう。
脳は、たとえば「野菜」や「動物」など、目で見えるものの名称の方が、記憶に残りやすい性質があります。象を見て「elephant」と見れば記憶に残りやすいですが、逆に「思いやり=compassion」など、「目で見えないもの」は覚えにくいわけです。
「英語の回路」をゼロから作るには、「ものを見たらすぐに英語で名称を答える」ように、「目で見えるもの」と英語を瞬時に結びつけるトレーニングをするとよいと思います。
安河内:やはり、英語は英語のままで覚えてしまうことが、効率的なわけですね。
加藤:ただ、アメリカに行くまでは、前回お話しした「英語の回路」ができていないので、「英語を英語のまま理解する」ということがどういうことなのか、さっぱりわかりませんでした。
これは後々わかったんですが、やはり「英語での体験」が重要なんだと思います。
「安河内先生かっこいいなぁ!」と思ったとき、「かっこいい」という言葉を、英語の「cool」で表現できれば、「かっこいい」という単語が必要なくなるわけです。
「安河内先生かっこいいなぁ」だったのが、「英語回路」ができてくると、「安河内先生、coolだなぁ」と言いたくなる。さらに回路が強くなると、「Mr. Yasukouchi is so cool!」と、英語で考えられるようになる。こうしていくうちに、英語で考えられるようになるのではないでしょうか。
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