週に1回は「英語部屋」にこもりなさい! 英語上達のための、究極の「脳トレ」法

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安河内:加藤先生は、英語に対してご苦労をされ、それを克服した後、『脳科学的に正しい英語学習法』を書かれ、本日お話された内容をまとめられたわけですね。

加藤:そうです。「英語ができる人」は、「英語ができない人の学習法」がわからないんじゃないかと思ったんです。先ほどもお話ししたように、「英語が得意な人」は、「英語が得意になるべき脳」ができているんです。

逆に、私のようにコミュニケーションがそもそも苦手な人間は、まずその脳番地を育てることから始める必要があります。

それを知らずに、私は単語を上から順に覚えようとしたり、興味のない教科書の英文を読んだりして、英語に非常に長い時間を浪費してきました。実際、興味がある「医療」分野では、1〜2年で英語論文を作成して、学会で発表できるようになれたわけですから。

日本人の英語学習は、脳科学的に間違っている!

安河内:そうなんですよね。最近私が「非ネイティブの国際人」にこだわって取材している、いちばんの理由はそこなんです。専門家や帰国子女の方には、そういう人の苦労がわからないんじゃないかと思ったんです。

本書では、先生が英語学習でロスした時間を、皆さんにもロスして欲しくない、最短距離で走って欲しいという思いが詰まっているわけですね。

加藤:はい。受験英語での文法の授業や、「テストに出る」順に単語を覚えている時間は、実際に英語を使っている今となっては、無駄だったわけです。

あの時間を、英語の映画を見たり、本を読んだりしながら、本当の素地である理解力を伸ばす時間に割いていたら、将来、本当に自分が英語を使うときに非常に役立ったんじゃないか、と思ったわけです。

安河内:今の中高生は、英語学習に膨大な時間とおカネをかけています。しかし、実際には成果が上がっていない。それはどういうことかというと、やり方が悪いんです。

中学では週4時間英語を勉強して、家でも毎日1時間勉強している。高校生になると、大学受験のために何時間も学習している。それで大学に入っても、英語でほとんどコミュニケーションできない。リーディングができるかというのも、世界的にいうと怪しいレベルです。

加藤:一言で言うと、教材が悪いわけです。

安河内:教材もそうですし、教授法(学習法)も悪いわけです。日本は、この国の特殊性として、「大学受験に出る英語」が中心の英語学習になってしまっています。

しかし、本書で紹介されていることを意識して英語学習をすれば、今の学習時間を増やさなくても、むしろもっと少ない時間で、英語ができるようになるんじゃないかと思ったんですよね。

加藤:そうですね。それから、年配の方にとっては、「付加価値としての英語学習」を紹介したいという意図もあります。英語自体に興味がなくても、単語学習やリスニングが、脳にどれだけいいことなのかも知ってもらいたいですね。英語学習自体が、非常に効果的な脳トレになるわけですから。

安河内:たしかに、英語学習にはそれぞれの目的があるべきですよね。私も英語教育を変えるためにいろいろ活動しているわけですが、制度と並行して、経験則と科学を両面に生かした学習法を取り入れていくべきだと思います。

本日は私にとっても、読者の皆さんにとっても本当にためになるお話を、ありがとうございました。

東洋経済オンライン編集部

ベテランから若手まで個性的な部員がそろう編集部。編集作業が中心だが、もちろん取材もこなします(画像はイメージです)

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