――タクシー業界からは、ライドシェア導入の反対意見も聞こえてきます。ライドシェアとタクシーは共存可能でしょうか。
「ライドシェアについて前向きに話すと『あなたはタクシー業界の敵だ』と思われがちですが、明確にしておきたいのは私がライドシェアとタクシーの両方を応援している、ということ。実際にタクシー業界から要望があった2種免許の規制緩和を政治の舞台で表面化させ、地理試験の廃止に向けて動きました。これを全国ハイヤー・タクシー連合会会長の川鍋一朗さんと神奈川県タクシー協会の伊藤宏会長と一緒に、地理試験の廃止要望を提出しに国交大臣に申し入れました。議連のメンバーでもない私が、です(※その後議連に加入)。
タクシー業界の方と話した際に、過剰規制の緩和の重要性を切に訴えられており、それなら、緩和の申し入れをしましょうというと、『本当にそんなこと声をあげて言っていいんですか?』という反応だったくらいです。結果的に、予算委員会では斉藤鉄夫国交相から『地理試験の廃止も含めて検討する』という答弁を引き出せた。
タクシーとライドシェアはどちらも今後の日本では間違いなく必要な移動手段であり、海外でもライドシェア導入国でタクシーはなくなっていません。諸外国の例からも、タクシーとライドシェアは市場自体が異なる部分もある。片方だけではなく、タクシーの過剰規制の打破とライドシェア導入を両方進めるということが重要なんです」
地元選挙区の住民の声は?
――選挙区である神奈川県三浦市ではライドシェアの実証実験が検討されています。地域住民からはどのような声があったのでしょうか。
「三浦市の場合は、夜の19時以降のタクシーがない、と。それでタクシー会社の方も肩身の狭い思いをされていた。夜間に移動手段がないために、地元の方でも飲食店に行ったら帰れません。せっかく観光で来て頂いた方も、移動ができないから飲みに行くのも簡単ではない。結果、夜の街が冷え切ってしまった。
人間関係が濃い街ではあるので、今は『もう一杯飲むから送っていって』というような感じで、お店の方が送迎までしている店もあるくらいです。既にそういう現実と向き合っている地域なんです。ただそれは、形を変えた白タク行為になりますし、それならちゃんと整備すべきだろう、と。そういった地域からの切なる声が原動力になっていることは間違いないですね」
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