小泉進次郎が語るライドシェアの知られざる実態 イメージや誤解によって反対している人が多い

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――議論の中心となっている安全性の担保、責任の所在を明確にさせるという仕組み作りは実現できますか。

「結論から言うと、海外にはそれらの制度は既にあるんですね。市場が拡大し、成熟していったことで法整備も行われています。保険加入の義務化から、ドライブレコーダーの設置、車検は毎年やる、加入者講習もやる、アルコールチェックもやる、事故発生のリスクを抑えるために、一定の時間働いている人はアプリが使えないようにする、そして免許の管理。こういったことは既に海外にはあって、充分に機能もしているわけです。安全・安心を確保するためにも、むしろライドシェアは法律でちゃんと位置付けたほうがいい」

反対派は誤解している面がある

――国会内でもまだライドシェアの正確な現状を認識している方は少ないように感じます。

「例えば反対・慎重派の方の中には『誰が運転しているかわからない』という意見がありますが、これは違います。ライドシェアのほうが運転手の情報がわかるんですよ。

『ライドシェアのドライバーは何十時間も運転しっぱなしで危ない』も、まったく事実と異なる。例えばオーストラリアでは、12時間運転したらアプリが使えなくなるようにしている。さらに犯罪歴の有無やバックグラウンドのチェックもできる。過去のドライバーの実績や評価もわかる。

残念ながら、最新のライドシェアのリスク管理については、広く知られていません。あるベテラン議員からは、『よくわからないけどライドシェアはダメだぞ』と言われたこともあるくらいですから(笑)。よくわからないけどダメって……。

反対意見は尊重しますが、イメージと誤解によって反対するのはちょっと待ってくれよ!と思いますよね。ライドシェアについての正しい知識を持つ人が増えてくれば、より建設的な議論ができる。そのための超党派の勉強会発足も呼びかけました。野党にも理解者はいます。党派を超えて、日本に必要な改革に取り組んでいきます。ライドシェアは人口減、人手不足、人生100年時代に直面する日本にとって不可欠な改革の一つだと確信しています」

栗田 シメイ ノンフィクションライター

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くりた しめい / Shimei Kurita

1987年生まれ。広告代理店勤務などを経てフリーランスに。スポーツや経済、事件、海外情勢などを幅広く取材する。『Number』『Sportiva』といった総合スポーツ誌、野球、サッカーなど専門誌のほか、各週刊誌、ビジネス誌を中心に寄稿。著書に『コロナ禍の生き抜く タクシー業界サバイバル』。『甲子園を目指せ! 進学校野球部の飽くなき挑戦』など、構成本も多数。南米・欧州・アジア・中東など世界30カ国以上で取材を重ねている。連絡はkurioka0829@gmail.comまで。

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