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キャリア・教育 #16歳からのライフ・シフト

人生100年、学校教育は何をどこまで教えるのか 日本人が幸せに生きていくために知るべきこと

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  • 遠藤 洋路 熊本市教育長
  • 宮田 純也 一般社団法人未来の先生フォーラム代表理事
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宮田 そうした評価の比重が重くなって、自己実現につながってくるとなると、学校も含めて、社会のルールが変わってくる。

人生を通じてこれを学んできた、自分の学びをこう組み立ててきたというのが人生100年時代の学び方、生き方になるのかなと思います。

遠藤 そうですね。もちろん、選挙権を得る前に選挙のことは知っておかないととか、プロのアスリートやバイオリニストを目指すなら早いうちに、というように、制度的に、あるいは発達段階的に、適切な時期や向いている年齢というのはあると思います。

しかし、いまのように、1年生でこれを学び、2年生でこれを学び、というように一律に年齢で輪切りにするのは、個人差を考えれば無理があります。

社会規範は変わりうるもの

宮田 YouTuberとして社会にいいインパクトを与えて評価されるという道ができると、いい大学に行くことだけが自己実現ではなくなります。既存のピラミッド構造や、大学に行くことの意義はさらに揺らいでいくでしょう。

自分の可能性はどんどん広げられる一方で、VUCA(予測困難な)時代と言われるなか、各人のよりよく生きる力が、内向きに、それぞれの能力開発に過度に向いてしまう危惧もあります。各人が権利ばかり主張してパブリックな領域が失われるといったことです。

他者と支え合うという経験と意義を、体で感じて蓄積していくという意味で、みんなで集まって学ぶというのも学校教育の意義の一つと思いますが、いかがでしょうか。

遠藤 憲法上の価値である、基本的人権、民主主義、平和主義のように、いまの日本で生きていくために、大人になるまでに必ず身につけなければいけないことがあります。みんながこの社会で幸せに生きていくために必要な最低限のルール、それがパブリックな領域だと思います。

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【学校教育の使命とは】

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