「負の感情」にはマイルドなうちに対処せよ まずは「自分の気持ち」をきちんと理解しよう

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ところが、多くの人は、「このくらいのことは言わなくてもいいだろう」と放っておいたり、「ここはちょっと我慢しておこう」と気持ちを押し込めてしまいます。これだと何も意思表示をしていないことになるので、相手にはあなたの気持ちはまったく伝わりません。

ことは次第に、「腹が立つ」「しんどい」「理不尽だ」といったカレーの中辛状態になっていきます。こうなると、感情が先行してしまうため、自分の気持ちを穏やかに伝えることが難しくなります。

さらに我慢をし続けると、「許せない!」「大嫌い!」「顔も見たくない!」といったカレーの激辛状態になります。この時点で冷静に気持ちを伝えることは、ほぼ不可能です。ゲリラ豪雨のように一気に感情があふれ出し、相手に襲いかかるようなもの。関係性にもヒビが入って、ますます苦しい気持ちに追い込まれてしまうでしょう。

ですので、怒りや嫌だという感情は、できるだけ小さく、マイルドなうちに伝えることが大切なのです。

「言いやすい相手に」から始めよう

この原理はご理解いただけると思うのですが、実際行動に落とし込むのは難しいもの。最初から、自分の「言いにくい気持ちを言いにくい人に」言おうとしても無理な話です。

そこでまずは、「言いやすいことを言いやすい相手に」伝えるトレーニングからスモールステップで始めてみてはいかがでしょう。トレーニングを積めば、コミュニケーションは必ず上達します。

まずは自分の気持ちに敏感になって、「ちょっと気になる」気持ちを見逃さず、しっかり向き合うこと。そして、「このぐらいのことは言わなくてもいいや」と抑え込まずに、伝えてみること。少しずつでも、自然に自分の気持ちが伝えられるようになりましょう!

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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