最近、話題に上ることの多い「レジリエンス」という言葉。日本語では、「抵抗力」「復元力」「耐久力」などと訳される。世界のレジリエンス研究家とともに研究を深め、啓発活動を行ってきた枝廣淳子氏が、このたび『レジリエンスとは何か』を執筆した。
かつてないほどレジリエンスの力を必要とする私たちに向けて、どのように考え、いかに取り組めばよいか、を解説する。最終回の今回は、「何があっても折れない力=レジリエンス」を、自分の人生や暮らしに採り入れるための方法についてお話ししましょう。
ストレスがあることを前提に
前回は災害などを想定したレジリエンスの話をしましたが、「人のこころ」を扱う心理学の分野でも「レジリエンス」という概念が注目されています。
トラウマ体験やストレス状況など、同じネガティブなできごとに直面したとき、それで心がぽっきり折れてしまう人もいれば、しばらく落ち込んでいたとしても、そのあと立ち直って、場合によっては、前よりもたくましく強くなる人もいますよね?
ストレス状況は同じだとしても、人によって反応やその後が違うとしたら、その違いを生み出すものは何なのでしょう? この違いを生み出す「何かあっても立ち直れる力」が、人のこころの「レジリエンス」なのです。
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