なぜ「想定外」にこれほど対応できないのか

実は弱かった「ジャスト・イン・タイム」

                               (写真:DREAMNIKON / Imasia)

いま日本は、ビジネスの世界においても、日々の生活においても、レジリエンス(しなやかな強さ)という力が弱まっている、と枝廣淳子氏は憂いています。世界のレジリエンス研究家とともにレジリエンスの研究を深め、啓発活動を行ってきた枝廣氏が、このたび弊社より『レジリエンスとは何か』を上梓されました。かつてないほどレジリエンスの力を必要とする私たちに向けて、どのように考え、いかに取り組めばよいか、を解説していただきます。

立ち直る力が弱まっている!

最近、企業研修や自治体職員研修で、「この10年間の変化と、今後10年間の変化と、どちらが大きいと思いますか?」と尋ねるようにしています。手を挙げてもらうと、「これからの10年の変化のほうが大きいのではないか」と思っている人のほうが多いことがわかります。みなさんはどう思われますか?

 変化の大きさだけではなく、「先が読めない」という感覚も、これまでよりも強くなっているのではないでしょうか。私はよく「これからは、ますます不確実で不安定な時代」と言います。

 リーマンショックを引き起こした金融や経済の根本的な原因はなくなっていません。いつ何時、どこで金融危機が勃発し、日本を含む世界中を揺らすことになるか、おそらくだれにもわからないでしょう。世界の各地でテロや戦争の脅威も増しつつあると心配されています。直接戦争に巻き込まれることがないとしても、これだけグローバル化の進んだ世界では、日本のようにエネルギーや食料を他国に頼っている国は、大きな影響を被る可能性があります。

 各地で異常気象とその結果としての自然災害が増えつつあります(その中に地球温暖化の影響が顕在化しているものがあるとしたら、純粋な自然災害というより、“人工的な自然災害”と呼ばなくてはならないかもしれません!)。

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三菱重工と日立 「統合」破談から<br>10年 製造立国の岐路

10年前に統合構想が破談になった三菱重工業と日立製作所。その後両社は対照的な道を歩み、2009年に伯仲していた時価総額は今や日立が大きく上回っています。本特集では明暗が分かれた三菱重工と日立を主軸に、製造立国・日本の生きる道を探りました。

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