不安な子に「大丈夫」と言ってはいけない納得理由 その一言が子どもに悪影響を及ぼす

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不安を感じやすい子どもは、根拠もなく励まされれば励まされるほど、どう対処していいかわからず、より一層不安になってしまいます。さらに失敗をすると、「大丈夫って言ったのに」と親を恨んだり、「ダメな人間だ」と自分を責めたりしてしまいます。そのストレスにより、身体症状が出たり、不登校になったりしてしまう場合もあります。

「なぜできるのか」を論理的に伝える

子どもに言葉を伝えるときは、「ロジカルに」「フルセンテンスで」が基本です。ロジカルな言葉がけは、しっかりと論理的な思考のできる前頭葉を育むからです。

ハルカの場合は、なぜ「あなたならできる」のかについて、その理由を論理的に伝えてあげるべきでした。たとえば、過去の成功体験を思い出させてもいいでしょう。

「昨年の発表会も大丈夫だったじゃない。あのときのようにしっかり練習をすれば、もしかしたらうまくいくかもね」というような感じです。このときに、「あのときのようにやればできると思うよ」というのは、母親の考えを押しつけているのでNGです。

また、自分が不安を克服したエピソードを具体的に話してあげるのも有効です。たとえば、「お母さんも子どもの頃、ピアノの発表会っていつも緊張したなあ。でもさ、一度、目を閉じても弾けるくらいに頑張って練習してみたの。そうしたらさ、本番で全然緊張しなかったんだよね。そんな方法もあるよ」などと話してあげましょう。ただしこのときも、「だからあなたもそうしたらうまくいくよ」というのは親からの押しつけになるのでNGです。

親自身の失敗克服エピソードは、子どもにとって何より説得力のある言葉です。ピアノの発表会に限らず、子どもは成長していく中で、数えきれないほどの困難に直面します。そんなときのために、親は子どもに話してあげられる「経験のストック」を持つようにしましょう。自身の経験を話す際には、もちろんすべて実話のほうがいいですが、説得力が弱いと感じたら多少脚色をしたり、手持ちの経験がない場合にはフィクションを交えたりしてみてもいいと思います。

親は子どもより、すべての面において先達です。親は子どもよりつねに、「知恵者」であり、「一枚上手」でなければなりません。思いつきで言葉を発するのではなく、その言葉を聞いた後の子どもの反応までをしっかり考えて、不安を勇気に変える言葉選びをしましょう。

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