「ちゃんとしなさい」と叱る親の子ほどできない訳 言葉がけは「ロジカルに」「フルセンテンスで」が基本
親が子育てにおいて、我が子に投げかける機会が多い「ちゃんと〇〇しなさい」。小児科医・医学博士・公認心理師である、成田奈緒子氏と、臨床心理士・公認心理師である上岡勇二氏によれば、これは子どもの脳の育ちを「阻害」する悪い言葉がけであるという。なぜ、不適切なのか。親は子に対して、代わりにどのような一言を投げかければよいのか、『その「一言」が子どもの脳をダメにする』を上梓したお2人に語ってもらった。
「あいまい言葉」が脳の成長を阻害する
【事例】
×「ちゃんと片づけなさい!」
〇「元の場所に戻そうね。そうすると次に読むときに見つけやすいよ」
〇「元の場所に戻そうね。そうすると次に読むときに見つけやすいよ」
どう片づければいいの?
コウタ(小5)
いつも部屋を散らかし放題のコウタ。机の上は何が置かれているのかわからない状態、漫画を読んだら床に出しっぱなし……。「ちゃんと片づけなさい!」と叱るのが母親の日課になっています。叱られると少しは片づけるのですが、母親の考える整理整頓には程遠い状態です。
そんなある日、いつものように、片づけをしないコウタを叱ると――。
「うっせえなあ、クソババア!」
コウタは、勢いよく本を壁に投げつけ、壁に穴を開けてしまいました。母親は驚きのあまりその場に立ち尽くしています。
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