「ちゃんとしなさい」と叱る親の子ほどできない訳 言葉がけは「ロジカルに」「フルセンテンスで」が基本
親は、わが子が幼いうちは「あいまい言葉」を使うべきではありません。そのことをする必要性などがしっかりと理解できるように、「ロジカルに」「フルセンテンスで」教えてあげましょう。
たとえば、部屋の床に漫画が散乱していたなら、「漫画を読み終わったら本棚の元の場所に戻そうね。そうすると次に読むときに見つけやすいよ」などと説明してあげましょう。どのように片づけるのか、なぜ片づけるのかがわかれば、言われた子どもは混乱せずに済みます。
言葉がけは「ロジカルに」「フルセンテンスで」が基本
「ロジカルに」「フルセンテンスで」言葉をかけることは、前頭葉の発達にも役立ちます。前頭葉は、物事を筋道立てて考えていく、思考するための脳です。「おりこうさんの脳」(大脳新皮質)に論理的な言葉をたくさん入れてあげることで、前頭葉への神経回路が構築されやすくなります。脳がどれだけ豊かに育つかは、親からよい言葉をどれだけ多く与えられるかにかかっています。
「ロジカルに」「フルセンテンスで」の言葉がけは、幼児の頃から始めても早過ぎることはありません。
たとえば、子どもが擦り傷を作ったときには、「痛いの痛いの飛んでけ~」と言うのではなく、「これぐらいの傷なら消毒液を塗って、絆創膏を貼っておけば3日で治るよ」などと具体的な対処方法を教えてあげましょう。そして3日後、「きれいに治ったね」と傷の治りを確認してあげます。そうすることで、また同じようなけがをしたときに、「これくらいなら大丈夫。消毒液を塗って絆創膏を貼っておこう」と自分で判断ができるようになります。
また、出かけるときには、「もうすぐ出かけるよ」とあいまいに伝えるのではなく、「10時5分のバスに乗るから、9時50分に家を出るよ」と伝えましょう。自分で考えて準備をする力を養うことができます。
このように、親が子どもに対して「ロジカルに」「フルセンテンスで」言葉を伝えることは、自分の力で困難な状況を乗り越えていくための知恵を子どもの脳に蓄積させていくことなのです。