「ちゃんとしなさい」と叱る親の子ほどできない訳 言葉がけは「ロジカルに」「フルセンテンスで」が基本

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「子育て科学アクシス」で学ばれている親御さんの中には、子ども部屋を廃止されたという方もいらっしゃいます。私たちの「家族で共同生活をすることに重きを置く」という考え方からすると、むしろ子ども部屋そのものがない方が好ましいだろうと判断したからです。

その親御さんは、子ども部屋を廃止して、その場所に、父親・母親・子どもそれぞれの机と本棚を置くことにしました。

「子ども部屋廃止」のすすめ

その上で、それぞれの机と本棚は「治外法権エリア」なので、どれだけ散らかっていても文句は言わない。しかし、それ以外の床やごみ箱、小さなテーブルは共有スペースなのでしっかりと片づけるというルールを作りました。さらに、母親や父親の机や本棚に子どもの物が散らかっていた場合は、それが生活を妨害するなら容赦なく捨てるということにもしました。

これは逆に言えば、子どもの机の上の物は、ほかの家族は一切触らないということでもあります。この方法なら、何でもかんでも片づけなければならないわけではないので、子どもにストレスがたまりません。「共同生活のための最低限の片づけ」が、子どもに無理なく身についていったそうです。

ちなみに、その親御さんのお子さんは、自分の机の上に、平気でスマホなど何でも置きっぱなしにしているそう。治外法権エリアを、親が絶対に見ない、触らないとわかっているからです。あけっぴろげなようでいて、快適な生活と各自のプライバシーはお互いに尊重できる。それが私たちの提唱する「正しい家庭生活」なのです。

成田 奈緒子 小児科医・医学博士、公認心理師

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なりた なおこ / Naoko Narita

子育て科学アクシス代表・文教大学教育学部教授。 1987年神戸大学卒業後、米国セントルイスワシントン大学医学部や筑波大学基礎医学系で分子生物学・発生学・解剖学・脳科学の研究を行う。2005年より現職。臨床医、研究者としての活動も続けながら、医療、心理、教育、福祉を融合した新しい子育て理論を展開している。著書に『「発達障害」と間違われる子どもたち』(青春出版社)、『高学歴親という病』(講談社)、『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』(共著、講談社)、『子どもにいいこと大全』(主婦の友社)など多数。http://www.kk-axis.org/

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上岡 勇二 臨床心理士・公認心理師

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かみおか・ゆうじ / Yuji Kamioka

臨床心理士・公認心理師。子育て科学アクシススタッフ。1999年茨城大学大学院教育学研究科を修了したのち、適応指導教室、児童相談所、病弱特別支援学校院内学級、茨城県発達障害者支援センターで、家族支援に携わる。著作に、『改訂新装版 子どもの脳を発達させるペアレンティング・トレーニング 育てにくい子ほど良く伸びる』(共著、合同出版)、『子どもが幸せになる「正しい睡眠」』(共著、産業編集センター)、『ストレスは集中力を高める」(芽ばえ社)。

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