不安な子に「大丈夫」と言ってはいけない納得理由 その一言が子どもに悪影響を及ぼす

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皆さんは日々の家庭生活の中で、「100点取るなんて偉いね」「大丈夫! あなたならできる」「ちゃんと片づけなさい」「遊んでないで早く宿題しなさい!」などと、お子さんに言っていないでしょうか。どれも、親御さんたちは「よかれと思って」言われているのだとは思います。しかし、こうした「何気ない一言」は、子どもの脳を「ダメ」にする可能性があります。

「大丈夫」は根拠のない「雑な言葉」

子どもの脳をしっかりと育てるために、「言葉」を介した親子のコミュニケーションはとても重要です。なぜかというと、脳は、何度も繰り返し入ってきた刺激を「重要なものである」と判断し、その神経回路を太く、速くする性質があるからです。つまり、否定的な言葉を多くかけられた子どもは、脳がネガティブな刺激を速く処理してしまうようになります。

ネガティブな刺激は、子どもにとって大きなストレスとなります。親から発せられたネガティブな言葉がきっかけとなり、起立性調節障害などの病や、不登校、万引などの犯罪、非行……といった大変なトラブルにつながってしまうこともあるのです。

子どもへの否定的な「言葉」とは、「本当にお前はダメだな!」「何度言ったらわかるの!」などといったわかりやすいものだけではありません。冒頭に挙げたような、「一見ポジティブで、子どものためになりそうな言葉」も、伝え方次第では、脳にとってネガティブな刺激になってしまいます。

子どもが出した成果をほめる「100点取るなんて偉いね!」は、裏を返せば「100点以外取るのはダメ」というメッセージにもなりえます。また、「大丈夫! あなたならできる」は、失敗したとき、子どもを絶望させてしまう可能性もあります。

こうした「わが子を思うがゆえの一言」によって、かえってお子さんに悪影響が及んでいくケースを、私たちはこれまで数多く見てきました。

子どもが不安やプレッシャーを感じているとき、親は「大丈夫! あなたならできる」と励ましがちです。親としてはよかれと思って言っているつもりなのですが、その一言により、ハルカのような深刻なトラブルが引き起こされてしまうことがあります。

親が言う「大丈夫」は、「雑な言葉」の代表格です。

この「大丈夫」には、何の根拠もありません。無自覚にだとは思いますが、なぜ「あなたならできる」のか、考えて説明するような時間もないし、面倒くさいから「大丈夫」と雑に言ってしまっているのです。

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