ノーベル賞で注目を集めた「体内時計」の研究が進み、「時間」を考慮した栄養学の必要性が提唱されるようになりました。「何を食べるのが健康によいか」ではなく、「いつ食べるのが健康によいか」が注目され調べられるようになったのです。体内時計のリズムに合った食べ方こそ、健康の原点であると考えられ、「時間栄養学」と呼ばれています。
本稿では、東京女子医科大学名誉教授の大塚邦明医師が上梓した『大切なのは「いつ食べるか」でした。』より、「時間栄養学」とはどのようなものか、また「体内時計」に合った生活の工夫をご紹介します。
ここ十数年間の厚生労働省の報告を見ると、日本人の「総カロリー摂取量」が低下しています。
ところがその一方で、糖尿病は増えています。今では40歳以上の国民の約3割が糖尿病かその予備軍です。
「体内時計」乱れと糖尿病の関係
糖尿病予防・治療の重要なポイントは、“食べすぎない=適切なカロリーを摂取する”ことであるのに、なぜこのような矛盾した現象が起きるのでしょうか。
それは、不規則な食生活で「体内時計」の働きが乱れてしまい、血糖値を下げるインスリンの効果が弱くなっているためと考えられます。
マウスからすい臓の子時計にある時計遺伝子を“ノックアウト”(遺伝子操作によって実験動物から完全に除去すること)すると、インスリンが出なくなって糖尿病になります。人の場合も、体内時計の時計遺伝子に異常がある人は、糖尿病になりやすいことがわかっています。
体内時計の働きが弱くなるとすい臓の子時計のリズムも乱れてしまい、糖尿病になりやすいというわけです。
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