「奨学金850万円」女性に両親がかけた謝罪の言葉 「言うことを聞かない娘」に親は厳しく…

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畠中菜帆さん(仮名・48歳)は、奨学金850万円を借りて大学院博士課程まで進んだ女性。学ぼうとする彼女を両親は応援せず。しかし、30年の時を経て関係性に変化が生じたようです(写真:mits/PIXTA/写真はイメージです)
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これまでの奨学金に関する報道は、極端に悲劇的な事例が取り上げられがちだった。
たしかに返済を苦にして破産に至る人もいるが、お金という意味で言えば、「授業料の値上がり」「親側におしよせる、可処分所得の減少」「上がらない給料」など、ほかにもさまざまな要素が絡まっており、制度の是非を単体で論ずるのはなかなか難しい。また、「借りない」ことがつねに最適解とは言えず、奨学金によって人生を好転させた人も少なからず存在している。
そこで、本連載では「奨学金を借りたことで、価値観や生き方に起きた変化」という観点で、幅広い当事者に取材。さまざまなライフストーリーを通じ、高校生たちが今後の人生の参考にできるような、リアルな事例を積み重ねていく。

両親からの理解が得られず、学費を出してもらえず…

「両親は高卒でわたしと妹を育て上げたため、『女の子だから』というよりも『大学に行かなくても社会で活躍できるんだ』という考え方の持ち主でした。でも、私の中では『大学に進学しないで社会に出る』ことが想像できなくて。そんな両親の考え方の押し付けや生活管理の厳しさに反発するようになってからは、親子関係があまり良くなくなってしまい、そこから解放されたいという思いも生まれました」

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そう語るのは、主婦、会社員を経て、現在は大学教員として働く畠中菜帆さん(仮名・48歳)。今年に入って、日本学生支援機構(JASSO)から借りていた奨学金850万円を完済している。

関東地方出身の彼女が育ったのは、父はサラリーマン、母は専業主婦、そして妹という家庭。両親は大学進学に肯定的ではなかったが、畠中さんが通っていた高校は地元の公立進学校で、周りの友人たちは当たり前のように「卒業後は東京の大学に進学する」という雰囲気だった。

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