「うちは父親が縫製業を経営していましたが、プライドが高く、アルコール依存症で、人間関係がうまく築けないなど……。性格的な問題がいくつもあり、僕たちきょうだい3人はいつも生活に困っていました」
生活能力がない父親の元で生まれ育ち…
そう語るのは長内真人さん(仮名・57歳)。関西出身で、生活能力がない父親の元で生まれ育ったため、苦労の絶えない日常を送っていたという。同氏は続ける。
「70年代はまだ国全体が貧しかったため、『ほかの家庭もこんな生活なのかな?』と思っていたのですが、周りの暮らしぶりは良くなっていくのに、うちは一向に貧しいまま。年に数回、電気代の支払い遅延のため、電話を切られることがあったので、小中学生ぐらいまで町会長など、近所の有力者の家に母親と一緒に行くこともありました。
当時は何のために行っているのかわからなかったのですが、高校生くらいになってからようやく『あのとき、母は金を借りていたんだな』ということを理解しました」
5人家族だが、父親の事業はうまくいっていないため、長内家の世帯年収は180万円。「それでも、田舎だったのでなんとか暮らしていけた」とのことだが、長内さんは高校時代から奨学金を借りることになった。
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