リスキリングが「続かない人」に足りない4つの視点 習慣化を導く「ワークライフインテグレーション」

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リスキリングで挫折しないための「習慣化」のポイントを解説します(写真:Luce/PIXTA)
ChatGPTをはじめとする生成AIの登場が、ビジネスパーソンの働き方、キャリア形成において大きなインパクトを与えています。リスキリング(社会人の学び直し)の必要に直面しているものの、モチベーションの維持や時間のやり繰りで行き詰まる人も少なくありません。リスキリングを「習慣化」するためにはどうすればいいのか。AIビジネスに詳しいパロアルトインサイトCEOの石角友愛氏が解説します。
※本稿は石角氏の新著『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』から一部抜粋・再構成したものです。

「時間の確保」がリスキリングの最初の一歩

子どもを寝かしつけた後に夜の10時からリスキリングしようとしてもうまくいかない、という話を耳にしますが、教養系のリスキリングであれば、隙間時間にポッドキャストを聞く、家事をしながらオーディブルを聞くことは可能かもしれません。

しかし、大学院でMBAを取りたい、あるいは3カ月集中してブートキャンプでスキルを身につけたいとなった場合、隙間時間でどうにかできるものではありません。こうなると、今働いている職場や家族の理解と協力が必要になってくるでしょう。

企業に勤めているなら、リスキリングの時間を確保するための交渉が必要です。例えば、これから学ぶスキルを手に入れた場合、どれくらい今の仕事の生産性が上がるか、視野の広い提案をできるようになるかなどをシミュレーションして、プレゼンテーションすることも大切です。

会社によっては、リスキリングを推奨するプランやリモートワークなどのオプションが選べるかもしれません。かつてのグーグルのように、勤務時間の20%は主業務以外のことに費やしてもよいというルールを設けている企業もあります。

リスキリングを行う期間だけ主業務を変更してもらうような交渉をしてもよいかもしれません。企業にとっても従業員がリスキリングによってスキルアップすることは望ましいはずです。戦略的に交渉して、いかに時間を捻出するかを考えましょう。

企業側が従業員に対して積極的にリスキリングを推奨するために、特定の従業員の主業務自体を、そっくりリスキリングの時間に置き換えてしまう例もあります。

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