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横浜フリューゲルスはなぜ消滅しなければならなかったのか(田崎健太 著/カンゼン/2970円/400ページ)
[著者プロフィル]田崎健太(たざき・けんた)/ノンフィクション作家。1968年生まれ。早稲田大学卒業後に小学館へ入社。『週刊ポスト』編集部などを経て99年退社。著書に『球童 伊良部秀輝伝』(ミズノスポーツライター賞優秀賞)、『W杯に群がる男たち 巨大サッカービジネスの闇』など。
25年以上前の出来事だが、舞台裏を解き明かす臨場感のあるタッチからは、当時の状況が時空を超えて目に浮かぶ。重厚で読み応えのある一冊だ。
1993年、日本経済のバブルはすでに崩壊していたが、Jリーグ幕開け当時のプロサッカー界はまだまだバブルそのもので、地に足がついたとは到底いえない状況だった。サッカー人気が沸騰する中、派手なファッションの選手らがスターとしてもてはやされ、各クラブは次々と大物外国人選手を好待遇で招聘した。
一方、95年には早くも観客動員数が下降し始める。Jクラブはドイツをモデルとし、地域密着を掲げた。よって、クラブ名に企業の冠はつけないが、多額の出資で支える「責任企業」は存在する。依存を強めれば企業の業績悪化がクラブ経営に及ぼす影響も大きくなる、“両刃の剣”だ。
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