TOEIC800点超の若手社員に足りない決定的要素 英語力があっても仕事ができるとは限らない

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経験に乏しい若手社員ほど、英語を使う未知の仕事には不安を覚えやすい。写真と本文は直接関係ありません(撮影:今井康一)

「豊田さんの英語ってわかりやすいですねー!」

ちょっとニヤニヤしながら話す受講生に対して、思わず「こら!今、ちょっとバカにしただろ」と返してしまいましたが、以前、私がシンガポールで実施した海外研修に参加した20代後半の男性から、そんなふうに言われたことを思い出します。

もちろん言われて嫌な気持ちは何もなくて、彼が言いたかったことは、そんなシンプルで簡単な言い方でも伝わるんですね、ということ。

その人は学生時代から英語の勉強が好きで、TOEICのスコアは900点以上。海外経験はまったくなく、当時の海外研修が初海外でした。そして研修初日に彼が宣言をした「研修で達成したいこと」は、「不安症を克服したい」というものでした。

自分の英語は通用するのか

彼は私よりも高いTOEICスコアを持っていましたが、外国人とうまく話せるだろうか? 自分の英語は通用するだろうか? 外国人とコミュニケーションを取りながら研修で成果を上げられるだろうか? といった不安でいっぱいでした。

シンガポールでの研修初日もそうでしたが、日本で実施した事前研修でも「不安しかありません」と話していました。

でも海外研修が始まった後、私がシンガポール人と話している英語を聞いて、シンガポール人の英語は少し聞き取りにくかったけど、私の英語は全部わかったと言ってくれました。それは彼にとって安心材料にもなったようです(おそらく自分のほうが英語がうまいと思ったのでしょう)。

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