TOEIC800点超の若手社員に足りない決定的要素 英語力があっても仕事ができるとは限らない

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20代半ばだった彼はTOEICのスコアは400点ちょっとで、行く前は「英語は全然できません」と言っていたのですが、たった5日間の研修で「完全に消えた」と言うまでになるなんて……。

たった5日間で英語の語彙力や文法力が一気に上がったことはないでしょうし、そもそも私の研修は語学研修ではないので英語の勉強は一切しません。だとすれば「外国人と英語でコミュニケーションが取れた」という経験によるものでしょう。正直、「完全に」は言い過ぎな気もしますが、彼がそう思ったのは事実です。

そこからわかることは、「やったらできた」という経験からくる自信こそが大切ということです。それは裏を返せば、いかに実践経験が足りないかということでもあります。

勉強と経験、それぞれで賢くなった人の違い

今、「ストリート・スマート」が求められていると言われていますが、その対になる言葉が「アカデミック・スマート」です。これらの言葉を聞いたことがありますか?

アカデミック・スマートとは「勉強をして賢くなった人」、それに対してストリート・スマートは「実践で賢くなった人」という意味です。

ステレオタイプな説明をしてしまうと、アカデミック・スマートな人が、まだ経験したこともない困難な状況にぶち当たったとき「それはまだ学んでいないからできません」となるのに対し、実践で賢くなったストリート・スマートな人は、仮にやったことがない事態に出くわしても「以前、こんな感じでうまくいったから、今回はこうかな?」とまずやってみる。

それでうまくいかなかったら「だったら、こうしてみようか?」と試行錯誤を繰り返し、何とか成果を出すそうです。

がんばって英語を勉強し、TOEICで800点以上を取れたのに、「私、スコアだけは高いんですが、ぜんぜんしゃべれないんです」とか「英語でのコミュニケーションに不安がある」という人は、決してしゃべれないわけではなく、ただ単に実践経験がないだけと言ってもいいと思っています。

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