飲むヨーグルトが「乳酸菌バブル」でジリ貧の理由 市場は逆転寸前、かつての人気を取り戻せるか

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縮小
乳酸菌飲料の人気に押されがちな飲むヨーグルト。どう巻き返していくのか(記者撮影)

「今、明治の飲むヨーグルトは置いてないです。(乳酸菌飲料の)ピルクルに替わっちゃいましたね」――。都内スーパーの店員は淡々と話す。

明治は昨年10月、「明治ブルガリアのむヨーグルト 900g」の製造・販売を終了した。業界からは「あれほどのシェアを持っていた明治が、まさか」と驚きの声が上がった。

終売の理由について、明治は「個食化が進み、大容量品の消費量が減少しているため」と説明した。代替品として400グラムの商品を発売したが、売り上げは社内の計画値に届いていない(2023年度第3四半期決算時点)のが現状だ。

森永乳業も昨年10月、「計画に対し思うような実績が得られなかった」として「ビヒダス のむヨーグルト」(900グラム)の製造・販売を終了している。

市場全体を見ても、飲むヨーグルトの販売金額はこの6年間で17%も減少している。一体何が起きているのか。

健康か味か、どっちつかずの存在に

市場縮小の背景には、乳酸菌飲料などへの需要の流出がある。

調査会社インテージによれば、乳酸菌飲料の2023年の小売店販売金額は1341億円。ヤクルト本社の「Y1000」(「ヤクルト1000」の店頭専用商品)が発売された2021年に市場が急拡大し、その後も伸びが続いた。

一方、飲むヨーグルト市場は2021年に前年比200億円超の縮小となり、その後も停滞が続く。2023年の販売金額は1443億円で、乳酸菌飲料に追い越されるのは時間の問題だ。

両市場の拡大と縮小の時期はほぼ重なっており、飲むヨーグルトの人気が乳酸菌飲料に移っている実態がうかがえる。

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