飲むヨーグルトが「乳酸菌バブル」でジリ貧の理由 市場は逆転寸前、かつての人気を取り戻せるか

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さらに近年は、「キリン おいしい免疫ケア」など乳酸菌入りの清涼飲料水も台頭している。これらは法令上の乳酸菌飲料ではないが、小売店では飲むヨーグルトや乳酸菌飲料のすぐ隣に並ぶことも多く、飲むヨーグルトの需要を一部奪っているとみられる。

業界では「飲むヨーグルトは替えがきくものになっている」との指摘がある。以前は健康といえばヨーグルトと考える人も多かった。飲むヨーグルトはフレーバーが豊富で、手軽に摂取できる強みがあった。

だが、機能性表示食品制度が始まり、「睡眠の質向上」や「ストレス緩和」など具体的な機能をうたう乳酸菌飲料が登場すると、人気が揺らぎはじめた。

「健康の機能を求める消費者は簡単に乳酸菌飲料へスイッチしてしまう。味を求めるならジュースを飲めばよく、ヨーグルトはどっちつかずのポジションになってしまった」(業界関係者)。

長所が伝わらないのはなぜ?

飲むヨーグルトにもメリットはある。含まれる乳酸菌数、または酵母数は、乳酸菌飲料と同等かそれ以上だ。さらに無脂乳固形分が多いためコクがあり、乳酸菌飲料よりもタンパク質や炭水化物、ビタミンやミネラルを多く含むのが特徴だ。

左から食品表示上の発酵乳(ヨーグルト)、乳製品乳酸菌飲料、乳酸菌飲料、清涼飲料水。種類は異なるが、容量やデザインの雰囲気は似ている(記者撮影)

だが、こうした価値はうまく消費者に伝わっていない。乳酸菌飲料と比べて原価が高く、広告宣伝の費用が限られるのが要因の一つだ。

一方、乳酸菌飲料や乳酸菌入り清涼飲料水には水分が多く含まれ、原材料費を抑えやすいうえ、機能性表示食品の場合は高単価なことも多い。収益性は高く、マーケティングにも力を入れやすい。

飲むヨーグルトとほかの飲料との違いはわかりにくく、消費者が「広告でよく見る商品を買おう」となるのは容易に想像できる。

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