リスキリングが「続かない人」に足りない4つの視点 習慣化を導く「ワークライフインテグレーション」
「界王拳」というのは、漫画『ドラゴンボール』の主人公の孫悟空が繰り出す必殺技ですが、早朝の時間帯はメールや電話もないので、中島さんは悟空のごとく通常の20倍くらいの力、つまり最大能力を1日のスタートダッシュの時間帯に発揮して、超効率的に仕事を片付けてしまうのだそうです。
私も、パロアルトインサイトのCEOとして2人の子どもの育児をこなしながらリスキリングを進めたことがあります。そのときはこの20倍界王拳を使って、早朝の時間を最大限に活用しました。
子どもが起きる前なので誰にも邪魔されず、従業員からのメールや電話もありません。一番集中できるこの時間帯に一切インターネットにもつなげず、自分が最優先する学びを入れたのです。
「ディープワーク」は生産性の高い早朝に
『DEEP WORK』(邦題『大事なことに集中する│気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法』/ダイヤモンド社)の著者であるカル・ニューポート教授によると、深い思考をするような集中力を要する作業を「ディープワーク」といい、それを行うためには、一切の外的な介入を遮断するのがよいそうです。
私の場合、この書籍の執筆や、新しい講演資料を作ったりするようなクリエイティブな仕事は、早朝の時間帯を使います。SNSなどの通知は絶対にオフ。スマホも見ないし、メールの返信もしません。
逆にあまり脳を使わなくてもできる仕事は、ランチの後や夕方など集中力が下がる時間にやるのがいいそうで、私はそれを意識しています。「ポモドーロテクニック」という、作業を25分のセッションに分け、セッションの間に短い休憩を挟む方法もおすすめです。
このようなスケジューリングはリスキリングを実行しているときだけに限りません。(夜型の人もいるので一概にはいえませんが)多くの人にとっては、朝の時間帯のほうが生産性が高いことが、さまざまな研究でわかっています。
そのため私は、自社のメンバーにも午前中にはできるだけミーティングを入れないように伝えています。