リスキリングが「続かない人」に足りない4つの視点 習慣化を導く「ワークライフインテグレーション」

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

このように小さなゴールを何度も繰り返すことで、いろいろな報酬を自分に与える仕組みをつくるのです。そして、運動の継続に成功することで、健康によいという報酬だけではなく、自分に対する圧倒的な信頼を得ることができます。

苦手なこと、面倒なことを毎日やってきたという積み重ねは、何ものにも代え難い成功体験となるでしょう。これは、運動でも勉強でも同じです。習慣化のプロになることが大事なのです。場合によっては、「リスキリングよりも少しハードルが低い何かを先に習慣化する」こともあり得ます。私の場合、それは前述のように運動でした。

人間は基本的になまけようとする生き物ですから、勉強が必要だと思っても、どうしてもサボってしまいがちです。そこで、まずは勉強より少しハードルが低いことを習慣化することで、成功体験を得るのです。

この成功体験によって、「私は面倒なことであっても、習慣化できる人間なのだ」という自負や自己信頼が生まれます。

その成功体験や習慣化の手法をリスキリングにも当てはめれば、「やらなければならない」とか「やりたくない」といった感情に振り回されることなく、システマチックに取り組むことができるようになり、習慣化の成功確率が大きく上がるはずです。

自分自身に「ペナルティー」を課す

米イエール大学の行動経済学チームが開発した「stickK」というアプリがあります。これは損失回避という認知バイアスを活用した習慣化促進アプリで、行動経済学の原理に基づいた設計によって自己改善と目標設定をすることで、その達成へと導いてくれます。

stickKの基本的な考え方は「コミットメント契約」で、目標を達成しなかった場合、何らかのペナルティーが発生するというものです。基本的には金銭的なペナルティーが発生することが多く、目標を達成できなかったらいくらかの金額を支払うという契約を結びます。

ペナルティーで発生したお金は、あらかじめ設定した個人や団体、またはstickK自体に対して支払われます。

このようなツールを利用することで、個々のユーザーが自分自身の目標に対するコミットメントを強化することができます。

「20倍界王拳」で有効な時間帯をうまく使う習慣化には「いつリスキリングするか」の時間帯も重要です。

アメリカのマイクロソフトを創業したビル・ゲイツ氏と一緒に「Windows95」を開発した伝説のエンジニア、中島聡さんの著書に『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』(文響社)があります。この本の中で「20倍界王拳の発動をイメージする」という表現が登場します。

次ページ「20倍界王拳」を発動するとは?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事