会社で「生き残る」ために必要なスキル磨きのコツ リスキリングを成功させる7つのポイント

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これからの時代を生き抜くための「リスキリング」において重要なマインドセットについて紹介します(写真:yosan/PIXTA)
昨年10月、岸田文雄首相が「5年で1兆円をリスキリングに投じる」と所信表明演説で述べたことで話題になった「リスキリング」。とくに近年はChatGPTなど生成AIの普及により、「人間の仕事が奪われる」ことが現実のものになりつつあり、それに対応するためのリスキリングはビジネスパーソンにとって、緊急の課題にもなっています。
日本のリスキリングの第一人者であり、『新しいスキルで自分の未来を創る リスキリング 【実践編】』の著者である後藤宗明さんに、リスキリング実践の肝であり、生成AI(ChatGPT)時代を生き抜くためにも重要なマインドセットについてうかがいました。

スタンフォード大学のキャロル・S・ドゥエック教授が2006年に出版した『Mindset:The New Psychology of Success』で紹介された“グロースマインドセット"という考え方が、再び脚光を浴びています。

グロースマインドセットとは?

マイクロソフトのサティア・ナデラCEOがマイクロソフトのカルチャー改革の際に、この「グロースマインドセット」という考え方を繰り返し提唱し、見事にクラウド時代へ対応、ビジネスの成功を収めたことも大きいと思います。

マインドセットとは、“人間が持つ固有の考え方”を指しますが、同書の中で、マインドセットには、グロースマインドセット(成長思考)とフィックストマインドセット(硬直思考)があると紹介されています。

グロースマインドセットは、努力次第で自分の能力を成長させることができるという考え方、フィックストマインドセットは、生まれつき能力は決まっているので変わらないという考え方です。 

マイクロソフトではこのグロースマインドセットに基づいて、know it all(すべてを知っている)という硬直的な考え方から、learn it all(すべてを学ぶ)へと意識改革が行われたそうです。

すべてを知っているという思考であれば、当然失敗をしてはいけないという呪縛に囚われ、挑戦を避けるようになってしまいます。ところが、自分たちは知らないのだから失敗しながら学んでいこう、というふうに姿勢が変われば、挑戦をしていけるようになるのです。

とくにリスキリングを進めていくうえで、このグロースマインドセットの考え方が大切なのは、企業が未踏の新規事業に挑戦するために欠かせないスキルを従業員が身につけていくことが必要になるからです。

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