自販機で400円「ヒラメの刺し身」売る家族の物語 企業理念は「臨機応変に対応」挑戦した直販の道
前回の記事では鹿児島県垂水市にある24時間営業の「海ぶどうと魚の自販機」について、果たして儲かるのか、売れ筋商品は何なのか、など気になることを運営者である森水産の森正秋さんに伺った。
その中で見えてきたのは、コロナ禍で活魚が売れなくなったときに、いちはやく直販の道を探る臨機応変な経営姿勢だった。先を見据えていち早く動く姿勢は、正秋さんの父である1代目の森正彦さんの頃から変わらないという。
そこで、今回の記事では森水産のこれまでの歩みを聞きながら、水産業を取り巻く状況が変化していく中で、いかにして時流に応じて生き残ってきたかを探る。
「社長になりたい」「憧れの車に乗りたい」思いからヒラメ養殖へ
1代目である森正彦さんがヒラメの陸上養殖を始めたのは昭和54(1979)年。当時、鹿児島ではブリ養殖の勢いがあり、参入した人は “ブリ御殿”が建つと言われるほど儲かるものとされていた。
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