公立トップ校に受かる子の家庭環境
中学生たちを指導して以来、早35年が経ちました。その間、公立トップ校に合格した子の数は計り知れませんが、同時に、どのような家庭で育ったのか、また親御さんはどのようなタイプの傾向があったのかをつぶさに見てきました。また、主に母親対象の子育て・教育相談会を通じて延べ1万3000人を超える相談を受けてきた経験から、子どもがぐんぐん伸びる家庭にはある一定の傾向があることを感じてきました。
公立トップ校や上位校に合格する家庭にはいくつかの特徴があることは確かです。しかしその前に、一つ別のお話をしておかなくてはなりません。佐藤さんに該当する話ではないかもしれませんが、これまで多くの保護者と接してきた中で誤解されている方も少なくなかったため本論の前書きとしてお話ししておきます。
トップ校や上位校に合格すること、進学することが勉強の目的でもなければ、人生の目的でもありません。たまたまそのような学校に合格できるだけの境遇や能力があっただけかもしれないからです。人間はそれぞれ才能や能力を個別に持って生まれていると考えています。大切なことは、その固有の能力が発揮されることであって、トップ校という俗称の付いた学校に行くことがゴールではありません。ましてや、トップ校に行けるように親が振る舞いや愛情を変えるとしたら、その道理もおかしいものです。
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