デジタル機器が充実しても進まない改革
「何十年前の働き方なのか」
東北地方の複数の公立校で支援員をしている40代女性は2021年、ある光景を目にして驚いた。勤務校の一つに出勤したときのことだ。
職員室の机の上に資料がきれいにまとめて置いてあった。聞くと、教頭が教育委員会からくる大量のメールの添付ファイルをプリントアウトし、先生の人数分コピーして机に置くのだという。
教頭は毎朝、この作業に1時間かけているらしい。クラウド上にファイルを置いて各教員が見るようにすれば、数分で終わる作業のはずだ。民間などで普通に行われていることだ。
気になるのは、それだけにとどまらない。
例えば、家庭に書いてもらうアンケート。まず教務主任がアンケートの質問文を印刷し、職員室にある各クラスの配布物ボックスに人数分の紙を入れる。
クラス担任はそれを子どもに配布し、手書きしてもらって回収する。よく紛失するので、配る作業は大抵、何度も発生する。

















