![悩んでいる若い先生](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/7/9/570/img_796d73a2ef1fd5623766d8b26b542a2a530937.jpg)
仕事にやりがいを感じていても、日々の業務に忙殺され、疲弊する教員が増えています(写真:マハロ / PIXTA)
たびたび話題になっている学校教員の「働きすぎ」問題。朝日新聞の連載をもとにした書籍『何が教師を壊すのか 追いつめられる先生たちのリアル』から一部を抜粋、再編集し、今、学校で何が起きているのかを見つめます。
3回にわたってお届けします。
増加する「心の病」による休職
若手の教員が追い詰められている。
関東地方の公立小学校に勤める30代前半の女性教諭は2022年度、ある学年でクラス担任を務めてほしいと管理職から頼まれた。
この学年は以前から、暴力をふるう子や授業中に座っていられない子が少なくない。このため担当する教員が対応に苦慮してきた。体調を崩して休む教員もいた。
不安を感じたが、管理職から頭を下げられ、引き受けた。まずは子どもとの信頼関係を築く。新年度が始まる際、そんな目標を立てた。プレッシャーを感じていた。
![心の病で休職または1ヶ月以上の休暇をとった教職員の年代別割合](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/c/c/570/img_cc98f07276f8448db7e2e8de56b494a8248329.jpg)
2021年度に心の病で休職または1カ月以上の休暇をとった教職員の、在職者に占める割合。年代別に見ると、20代が最多だった(出所:『何が教師を壊すのか 追いつめられる先生たちのリアル』)
担任としての日々が始まった。子どもたちから目を離せばすぐ、けんかやトラブルが起きた。自分がいない間に何かあったら、と思うと、休み時間も教室を離れられなかった。
昼休みも校庭などで見守った。子どもがいる間はトイレに行くことや水分補給も我慢した。
子どもたちが下校すると、行事の準備や事務作業に追われた。長い会議もよくあった。
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