「先生が壊れる」若手教員に病休者が多い深刻事情 失われる意欲、なぜ教員は追いつめられるのか

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学級担任ではなかったが、特別な支援が必要な子をサポートしたり、コロナで休んだ教員の代わりに教壇に立ったりと、日中はほとんど職員室にいられない。合間には、ほかの教員から様々な報告や相談を受けた。

午後5時を過ぎてから、教務主任としてのデスクワークにとりかかる。教育委員会や文科省への提出書類の山をさばき、退勤は遅いと日付が変わる頃に。

出勤から退勤まで、ほぼ休憩はなかった。周到な準備が必要な研究発表を任されたため、自宅でもパソコンに向かった。

教員同士でゆっくり話す余裕がなくなった

職場には大学を出たばかりの新人教員もいた。教え方などを指導する立場でもあるが、自身の仕事に忙殺されてほとんど気にかけてあげられなかった。

経験が浅い間は、子どもに言い過ぎてしまったり、よかれと思ってしたことが裏目に出たり、どうしても失敗が多い。

かつては放課後、教員同士でゆっくり話すことがよくあった。若手は先輩に様々なことを質問し、助言をもらっていた。いまはそれぞれ抱える仕事が多すぎて、その時間をつくるのが難しくなった。

男性教諭の21年10月の時間外勤務は、仕事を持ち帰って自宅で仕事をした時間も含めて140時間に上った。

2019年に文科省が出したガイドラインで、教員の時間外労働は「月45時間、年間360時間」と上限が決まった。繁忙期でも、連続する月の平均が80時間を超えてはならないとされる。

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