辞めないと思っていた「部下が退職」まさかの原因 評価面談は部下のモチベーションを上げる場だ

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ただし、上司と部下では見えている世界が大きく異なっている。ここでは、それに起因する、部下のモチベーションを上げきれない要因を2つご紹介する。

「評価」のギャップから生じる「4つのモード」

1つ目は、「上司評価」と部下の「自己評価」の間に生じるギャップだ。上司評価と自己評価の高低に応じて、4つのモードに分類できる。いずれの場合も、モードに応じて評価を伝えることで、さらなる成長を促すことができる。

(画像:『マネジャーのための人事評価で最高のチームをつくる方法』)

▼「充実モード」も注意が必要!

上司からの評価も、本人の自己評価も高いのが充実モードだ。結果が出ていて、部下自身もそれを認識している状態なので理想的に見えるが、注意点もある。

例えば「絶好調だね! そのままがんばって!」と褒めるだけではNGだ。自己評価が高いときは、「もっと基準を上げていこう」という話をしやすいタイミング。にもかかわらず、次のステップに触れることなく手放しで褒めてしまうと、「自分はこれでいいんだな」と現状の基準で満足してしまい、成長が止まってしまうリスクがある。

充実モードの部下に対しては、「なぜその結果が出たのか?」という要因分析を促すことが重要だ。部下自身が成功要因を言語化できると、成長プロセスの再現性を持つことができる。そうなると、さらに高い目標設定をしても自信を持ってチャレンジできるようになるだろう。

▼「天狗モード」はギャップの原因究明を

上司評価は低いが、自己評価が高いのが天狗モードだ。部下は自分に自信を持っているが、過大な自己評価で、実際の評価が伴わない。上司と部下で評価の基準にズレがあり、部下が勘違いをしている状態とも言える。

天狗モードから脱却するためには、勘違いの原因を突き止めることが重要だ。上司が評価基準を曖昧にしていたために勘違いが生まれた可能性もあるし、調子に乗せようとおだてすぎたことで勘違いしてしまったのかもしれない。コミュニケーションを見直そう。

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