しかし、そんな彼の人生に大きな転機が訪れます。千葉に戻ってきてから月日が過ぎ、季節が冬を迎えたころ、中高の同級生が連絡をしてくれたのです。
「僕はもう、2浪目くらいで友達の連絡先やラインを全部消して連絡を取れる手段を絶っていました。高校の同期はいい大学に行っているのに、自分はめちゃくちゃ太っているし、恥ずかしい状態だから会いたくないと思っていました。
そう思っていたら、バスケ部の同級生が母親を介して『いま何してるの? 会おうぜ』って連絡を取ってきたんです。彼は東大に行くほど優秀な子でしたが、人間的なバランスもとてもいい数少ない信用できる友達だったので、断るのも申し訳ないから会おうと思ったんです」
友人が背中を押してくれた
こうして彼は、久しぶりに会った友人に悩みを打ち明けます。それが彼をもう一度、医学部に向かうきっかけをもたらしました。
「『俺はもう、医学部に行けないと思ってるんだ』と言いました。すると、彼は『でも、お前ならやったら受かると思うけどな。最後にもう1回受けなよ』って言ってくれたんです。その子は塾に行かずに東大に行くような、同級生の中でもかなり頭がいいと思える人でした。その彼が言うなら受かるだろうと思えたんです。5浪目を最後だと思って、もう1回だけ挑戦してみようと思えました」
友人に背中を押されて火がついたごろうさん。4浪目は愛媛大学医学部を受験するものの、準備期間が十分になかったこともあり落ちてしまいます。しかし、この大学に魅力を感じた彼は、5浪目の志望校も愛媛大に設定して猛勉強を開始しました。
「調子が悪い状態はずっと続きましたが、授業をしないと聞いていた武田塾に入って勉強を頑張りました。すると、5浪目の4月の模試ではじめて9割近くの得点をとれたんです。
そこで同じ医学部志望の1歳上の子と仲良くなれたことも、よかったですね。その子と一緒に勉強するようになって、勉強のやり方を聞くようになったことが、受験を乗り越えるうえで本当に大きかったです」
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