こうして3浪目に突入したごろうさんでしたが、うつ状態はさらに悪化したそうです。
「予備校に行かず、勉強もしない引きこもりの状態でした。娯楽に対する罪悪感があって、誰にもそんなことは言われなかったんですが、『俺みたいな身分の人間が、楽しいことなんてしちゃダメなんだ』ってずっと自分を責めていました。
自分でお金を稼いでもないのに親に個室のレンタル自習室を借りてもらっていたので、とにかく『やらなきゃ、やらなきゃ』という気持ちはあって。4時間くらいは勉強していたんですが、大半は何も気力が起きなくてずっと床でうずくまっていました」
「不幸そうに見えたのか、よく宗教勧誘にあっていた」とも当時を振り返るごろうさん。センター試験は72%前後に終わり、香川大学医学部に出願しますが、この年も不合格になってしまいます。
コンビニ店員とも目を合わせられなくなる
そして4浪目、さらにうつ状態が悪化した彼は、ついに動けなくなってしまいます。
「2浪、3浪とだんだん精神状態がひどくなっていったのですが、この年は治療が必要な状態になってしまいました。もう勉強どころじゃないと思ったので、幼少期にいい思い出があった母方の祖母のいる大分に、療養のために無理を言って行かせてもらいました。川沿いを毎朝散歩したり、身体を動かしたりしていたので少しはよくなりました」
少し状態が上向いたために5カ月後に千葉に戻ってこれたそうですが、それでもまだ全癒にはほど遠い状態だったそうです。
「人と会話をしなくなりすぎて、コンビニの店員さんとまともに目を合わせられなくなるほど、日常生活ができなくなっていました。このときはもう医学部に行けるようになるなんて夢にも思っていなくて、得意な数学と英語を使って、慶應の経済学部に行こうかなと考えていました」
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