受験は「できない子の逆をする」のが有効な理由 よくある成功体験談をまねることの落とし穴

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●やる気に頼らない

合格する子は「やる気がない」ときも、「やっています」。また、やりはじめると気分が乗ってくることをよく知っています。生徒に「やる気が出ない」と言われたとき、私は、「君たちのお父さんやお母さんだって、やる気がないときもあるのに、仕事や子育てをがんばっているんだぞ」と説明しています。

残り5分で最後の力を振り絞る練習

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体育会系の部活では、練習のときにコーチや監督が「あと1回!」「あと1周!」「あと3分!」と鼓舞します。苦しいときに最後の力を振り絞る練習です。

マラソンでも、選手はゴール前でラストスパートをかけます。最後の瞬間には、脳からドーパミンも出てくるため、がんばり切れることも科学的に証明されています。

最後まで諦めないこと、少ない残り時間でも全力で問題と向き合うことは、家でも練習ができます。40分で宿題をやるときに、35分でタイマーがなるように設定して、残りの5分はそれまで以上に集中して必ず解き終わらせる、というものです。

受験の合否は、1~2問の差で決まります。限界ギリギリのときに「あと5分でも」と粘れるのは、立派な武器になります。4教科の入試だと、20分の粘りが大きな点につながるでしょう。

渋田 隆之 国語専門塾の中学受験PREX代表、教育コンサルタント・学習アドバイザー

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しぶた たかゆき / Takayuki Shibuta

神奈川大手学習塾で中学受験部門を立ち上げ、責任者として20年携わる。同部門は、オリコン顧客満足度ランキングで、2010年度・2011年度の2年連続で全国1位を獲得。毎年、塾に通う受験生全員と生徒面談を実施。保護者向けにも、ガイダンス、進路面談・カウンセリングを担当し、これまで関わった人数は2万人以上。日々の思いを綴るブログ「中学受験熱血応援談」は年間100万件以上のアクセスを獲得している。2022年7月に中学受験PREXを立ち上げ、現在も継続して中学受験の最前線に立ち続ける。

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