松下幸之助の「生きていく上で大事な3要素」 「変えたらいかんものは、変えたらいかん」

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松下幸之助が語った、生きる上で大切な3要素とは――(写真:foly / PIXTA)
昭和の大経営者である松下幸之助。彼の言葉は時代を超えた普遍性と説得力を持っている。しかし今の20~40代の新世代リーダーにとって、「経営の神様」は遠い存在になっているのではないだろうか。松下幸之助が、23年にわたって側近として仕えた江口克彦氏に口伝したリーダーシップの奥義と、そのストーリーを味わって欲しい。(編集部) 

 

主よ、変えられないものを受け容れる心の静けさと、
変えられるものを変える勇気と
その両者を見分ける英知を我に与えたまえ

(O God, give us Serenity to accept what cannot be changed,
courage to change what should be changed,
and wisdom distinguish the one from the other. )

 

この言葉は、米国の神学者、ラインホールド・ニーバー(1892-1971)の名言として、世界中の人々に知られている。この言葉は、運命、宿命、生死、努力、挑戦、知恵、理性、人生などを前提に、ニーバーは教会に集まった信者たちに話したのだろう。

変えられないものは変えてはならない。変えるべきものは変えなければならない。これは経営においても、仕事においても言える。松下幸之助は、経営を進めていくなかで、普遍性と時代性、そして国民性が大事だと繰り返し述べている。

「経営理念を貫かなければ、会社は潰れてしまう」

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昭和49(1974)年秋、少し肌寒く感じるようになった京都の私邸、真々庵の座敷で庭を眺めながら、

「会社の経営でもなんでもそうやけど、普遍性というか、そういうものは絶対に変えずに、貫く棒のように守り続けると。そういうことが必要やな。まあ、そうやな、基本理念やね。会社経営の理念、それはどのような時代になっても守り抜かんと、会社はすぐ潰れてしまう。経営の拠りどころやな。迷ったときにそこに戻って、そこからどうすべきかを考える。そういうことが大事や。だから、経営理念というか、基本理念、これは変えたらいかん。消してしまったらあかん。変えたらいかんものは変えたらいかんのや。それを変えたり、消したりすると、迷ったとき、どうしたらええかわからんくなる」

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