「マカロニえんぴつ」がオヤジをも惹きつける理由 摩訶不思議な魅力はどうやって生まれたのか

✎ 1〜 ✎ 68 ✎ 69 ✎ 70 ✎ 最新
拡大
縮小

またサイト「Billboard JAPAN」の記事(同日)で「どんな音をライブにおいて目指している」かと聞かれて、メンバー・田辺由明はこう答えている――「ポップスバンドではなくて、あくまでもロックバンドの音像でいたい、というかね」。

そんな彼らによる『大人の涙』には、メンバー同士の激しくも楽しい相互作用の中で作られた感じ、つまりは「ロックバンド感」にあふれている。

「音素」の数が桁違い

相互作用の中で、音楽的アイデアがどんどん積み重なっていったのだろう、結果、1つ1つの曲の中に詰め込まれた豊富なアイデアが、聴き手に満足感、満腹感を与える。

昭和のロックバンドの音がブラウン管、平成のそれがハイビジョンだったとすると、マカロニえんぴつの音は4K、いや8Kの超・高精細画面だ。画素数、いや「音素」の数が桁違いだ。

また、相互作用によって、音楽性が、聴き手の予想を裏切って、あさっての方向へと展開する。定番的なJポップから、どんどん外れていく。

このあたりは、青春時代の私も愛したロックバンド=UNICORNからの影響だろう。実は、ほとんどの作詞・作曲を手掛けるメンバーのはっとりは、奥田民生が在籍したUNICORNが大好きで、その名前もUNICORNのアルバム『服部』から名付けられている。

UNICORNへの憧れが高じて、今年5月19日には、UNICORNとマカロニえんぴつの「ツーマンライブ」が実現。はっとりがUNICORNをバックに「服部」を歌ったというのだが(そして奥田民生とはっとりが「旅をゆけ」という曲を共作したことが9月21日、発表された)。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT