「ブギウギ」が朝ドラ史に残る傑作になる予感の訳 桑田佳祐らの源流としての笠置シヅ子を描く

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(画像:NHK『ブギウギ』ウェブサイトより)

来年3月で番組終了が決定したTBS『日立 世界ふしぎ発見!』の中で、かつて正解する自信のある解答者が繰り出していた小道具が「スーパーヒトシ君」。

それにならうと、私は今「スーパー朝ドラちゃん」を目の前に置きたい。高評価を得て盛り上がる自信があるからだ。NHK大阪制作朝ドラとしては、個人的に『ちりとてちん』(2007年)、『カーネーション』(2011年)、『スカーレット』(2019年)以来の手応えを感じる。

そう、私は今回の『ブギウギ』の話をしている。

とはいえ本連載では、朝ドラ好きとして、東京制作も含めて開始当初は基本褒めている(そして多くは、後にちょっと後悔する)ので、それ前提で読んでいただいたほうがいいかもと思いつつ、それでも私は「スーパー朝ドラちゃん」をいま目の前に、置いた。

現時点で「欠点がない」朝ドラ

高評価を逆から捉えれば、低評価のポイントがない、つまり「欠点がない」という感じだ。

出演者全員、演技力がおしなべて高く、歌や踊りもしっかりしていて、大阪制作朝ドラに必須の笑いのセンスも十分。また、関西を舞台とした朝ドラでいつも気になる、非関西人俳優の妙な関西弁も、今回はほぼ聞こえてこない。

そのうえで、まず指摘したいのは福来スズ子(花田鈴子)を演じる「ヒロインの勝利」だ。

まず子役を演じた澤井梨丘。ここまでのMVPと言え、かつここ数年の朝ドラ子役の中でも一二を争う水準だったろう。

特に「USK」(梅丸少女歌劇団)の(おしかけの)入団テストとして披露した『恋はやさし野辺の花よ』は、同じく音楽系の朝ドラだった『エール』(2020年)における薬師丸ひろ子や柴咲コウの歌と張る水準だったと思う。

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