「ブギウギ」が朝ドラ史に残る傑作になる予感の訳 桑田佳祐らの源流としての笠置シヅ子を描く

✎ 1〜 ✎ 69 ✎ 70 ✎ 71 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そして趣里。4度目の挑戦、2471人が応募したというオーディションにおいて、募集年齢上限の32歳で選ばれたヒロインは大抜擢だろう。水谷豊、伊藤蘭夫妻の娘で、もちろん東京出身。それでも大阪弁でのコメディエンヌ的演技に加えて、歌に踊りにまさに体当たり。

水谷豊が若い頃の演技(特にNHK『男たちの旅路』)や、伊藤蘭がコント(テレビ朝日『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』)で見せたスピード感と反射神経には超人的なものがあった。そういう意味では血筋なのかもしれない。

笠置シヅ子を朝ドラにするという話を聞いて、ヒロインとして真っ先に思い浮かべたのが、小芝風花、そして今回出演している伊原六花という、大阪出身の二輪の「花」だったが、今となっては、趣里こそが正解だったと思い始めている。

『ブギウギ』脚本への期待感

また「粒が揃った脇役陣」もよく、ヒロインを見事に盛り上げている。

とりわけ、ヒロインの母親役・水川あさみ。ネイティブ大阪人として「なにわのおばちゃん」としての新境地を切り開いている。かつて大阪制作朝ドラを賑わせた怪(快)優=藤山直美、キムラ緑子、尾野真千子のラインに入れそうな予感がする。

その他、こちらは正真正銘の怪優・宇野祥平の存在感、役名からして「アホのおっちゃん」の岡部たかしも好演で、「USK」のメンバーもキャラが立っていて素晴らしい。

さらには「脚本への期待感」も指摘しておきたい。

脚本家として名を連ねているのは足立紳と櫻井剛。足立は映画『百円の恋』、NHK『六畳間のピアノマン』の人。そして櫻井は、この連載でも取り上げた昨年のNHK夜ドラの傑作『あなたのブツが、ここに』を手掛けた人(ちなみに『六畳間~』『あなたの~』はともにNHK大阪制作)。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事